このところ気持ちのよい朝が続き、そして夕日が美しい。学生に誘われて、廬山へハイキングにいく。有名な東林寺から峡谷をめぐった。東林寺は立派なお寺で僧侶も多く、参拝者でにぎわっていた。ただ、スピーカーから『南無阿弥陀仏』が流れていたのには驚かされた。峡谷への入場料が５５元（７００円）は高いと思ったが、環境保全のためにはそれも必要かと思った。

大学から廬山までは、バスで一度乗り換えて行く。市内循環バスは新しく、最新式のワンマンカーだったが、乗り換えた田舎のバスはとんでもなく楽しかった。元気な女車掌が乗っていて、バス停に近づくと大声で乗車の有無を確かめる。暇なときは、座って、乗客となにやら、世間話。いつも同じ人しか乗らないのだろう。バスは３０年も使っているのかなと思わせるもので、床はぼろぼろ、そこに切符が散乱している。まるで廃工場の床のようで天井もあちらこちらがはがれていて、いすは硬いベニヤ張り。扉は一応自動だがガラスの半分はなく、そこから風が入って気持ちいい。ものすごい錆で蝶つがいやドア下の辺りはぼろぼろ、開け閉めのたびにぶらぶらしていつ取れてもおかしくないようだ。その扉も開けっ放しで走ることも多く、この路線を３０年以上走り続けている、人のよさそうな運転手とバスが同じように見えた

  今日は朝からかんかん照り。暑さが舞い戻ってきたかのよう。新一年生もいよいよ授業が始まった。私の授業も今週から倍に増える。９０分授業が８コマである。特に一年生はまったく日本語が分からないのでたいへんである。そこで、３年生のしっかりした学生にサポートしてもらって進めることにした。教室に行ってみると、なんと４０人近い学生が。会話の授業はクラスを二つに分けてということだったので、そんな指導計画をたてていたので、思わず絶句。そこへ、○○主任登場。彼女に少し人数が多いのでは、と聞くと「一年生だからそこは適当に」とすましたもの。初心者だからこそ少人数でと思う私の意識がおかしいのか。とりあえず、手探りで授業をスタートしたが汗をかきかき、なんとかやり遂げてほっとした。　　　　　

九江学院の授業は朝８時から始まり午前中は９０分授業が２コマ、そして昼休みの休憩時間が２時間半,その分昼からの授業の開始は遅れる。午後は２時から。そして、９０分授業が２コマ。授業の終了は午後５時半である。冬場だと暗くなる時間帯でもある。夏のこの時間になると学生も疲れていて、学習に集中させるのには、工夫がいる。

　今、すこし、日中問題がこじれているようなので、それとなく、情報収集。この江南の地は北京から離れていることや日本人が少ないこともあって、「関係ないよ」「関心ないよ」という学生がほとんど。それよりも学生たちは、明日からの三連休のことのほうが気がかりらしい。夕方からは、大学の門前の学生街は花火が上がり、食べ物を売る屋台がたくさん出て、遅くまで学生でごった返していた。

　休みの初日は、冷たい雨、気温もぐっとさがり秋の終わりの服装に一変。散歩も控えて一日中部屋の中。本を読んだりインターネットで日中の問題の情報をさがしたりしていた。することもないので、久しぶりにテレビをつけてみると、ドラえもんやクレヨン新ちゃんのアニメをやっていて見入ってしまった。漫画だと中国語は覚えやすそうだと一人納得。

そのあとは、中国版サスケである。日本ほどの大掛かりな設備ではないけれど、楽しめた。予選合格の８人で争い、優勝者は車が賞品である。

　３連休明けは、いつも元気のよい３年生のクラスも、朝いちの授業ということもあってあくびの連発。仕方がないので、笑い半分の気楽な授業にして終了。休み時間に学生から月餅のプレゼントをもらう。雑談しながら学生たちと分けていただいた。

授業が終って職員室に戻ると、待ち構えていたかのように、中国人の先生からの日本語についての質問。そして、もう一人の先生からは、修士論文作成の協力依頼。小林先生も他の先生の論文を見てあげ、成果を挙げている。日中友好（？）のためにも協力してあげようと思う。ただ、これで次の休みは消えたか・・・。ただ、給料が出たから国慶節の休みは楽しい気持ちで過ごせそうだ。

　ここで閑話休題。

中国の学生は貧しいと聞いていたけれど、私の周辺の学生はとてもリッチ。それはこの国の「一人っ子政策」が始まってからの子どもたちであることが理由かもしれない。持っているかばん、服装、靴どれ一つとっても高そうなもの。おまけに、カシオの電子手帳、日本で買っても３万円以上はしそうなものを多くの学生が持っている。

とは言っても、九江の物価は安い。食堂も売店も６時ごろから開いている。そこで、肉まん（パオズ）を買う。一つ７円、。ご飯は山盛りで３円であるから、おかずを数品とっても５元。７０円。肉入りラーメンは少し高くて５０円。ただ、校内より外の店のほうがおいしく学生にはあまり人気はない。

ついでに、ほかのものの値段も。タクシーは初乗り２キロ７０円、あとは１キロごとに２０円。上海では初乗り１５０円だったことを思えば九江の物価の安さがよく分かる。女性の美容室、おしゃれで可愛い店がたくさん並んでいるが、１回５０元（７００円）と外に書いている。校内の散髪屋さんはイケメンの若い美容師さんがシャンプーと丁寧なカットをしてくれて１０元で１２０円である。

米は１キロ５０円から８０円。日本人の口には合いにくいが雑炊や焼き飯にしたらいけそうである。りんごは小さいが一個１０円、みかんは６個ぐらいで３０円、牛乳は１リットルパックが１２０円、牛乳バターなどの乳製品は少し高め。シャツは日本と同じようにきれいにパッケージされていて、大体１枚２００円くらいである。なんといってもビールが安い。５００ｍLビンの青島ビールが５０円足らず。味は日本のビールに似ていてかなりいける。ビール好きの私にはたまらないがただ、つまみのナッツ類は高いのでおかき類で我慢している。